はじめに
社内の PC や利用しているソフトウェアライセンスを適切に管理する場合、Excel を使って手軽に始めることができますが、その反面管理する情報が増えると情報の正確性が損なわれたり、運用が煩雑になってしまいます。

IT資産管理に特化したツールにはさまざまな種類があり、それぞれメリット・デメリットや向いている場面が異なります。今回は資産管理ツールの代表的な次の種類について、特徴とどういった企業に向いているのかについて解説します。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 | 代表的な製品例 |
|---|---|---|---|
| Excel / スプレッドシート | 低コスト、手軽に始められる | 資産台数が少なく、まずは簡易的に管理したい場合 | Excel、Googleスプレッドシート |
| オンプレミス型ツール | 自社サーバーに構築、カスタマイズ性高い | セキュリティを完全に社内で担保したい場合、大企業向け | Microsoft SCCM、AssetView on-prem |
| SaaS型(クラウド型)ツール | クラウドで利用、導入容易、サポート付き | 中堅企業、短期間で導入したい場合 | Lanscope、AssetView Cloud、Jamf Pro |
| GLPI(本家OSS版) | OSSとして世界的に利用実績あり、無料で利用可能 | 自前で構築・運用保守できる人材がいる場合 | GLPI OSS、本家GLPI Network Cloud |
| GLPI(Linkup提供版) | 日本語サポート、国内AWSでホスティング | 国内中小企業、OSSの自由度+サポートを両立したい場合 | Linkup Cloud(GLPIベースSaaS) |
Excelやスプレッドシート
業務で使用する PC に標準でインストールされていることも多く、資産管理に限らず多くの業務で使われる Excel やスプレッドシートは、一番初めに資産管理ツールとして思い浮かぶのではないでしょうか。
PC の資産番号や OS の種類、購入日などを簡単な管理台帳で管理すると、少数台ならそれだけで十分に管理が可能です。効率的な管理台帳を作成するためのコツはこちらの記事もご覧ください。


特徴
- 低コストで導入でき、誰でも扱える
- シンプルな表形式で柔軟にカスタマイズ可能
- 書籍やネット上に情報が多くあるためトラブル解決や効率化が容易
向いている場面
- 管理対象のPCやソフトが10台程度の小規模環境
- とりあえず資産管理を始めたい場合
注意点
- 手入力による更新作業が必須で、ヒューマンエラーが起きやすい
- 担当者依存になりやすく、引き継ぎが困難
- 情報鮮度が保てず、棚卸しやライセンス監査で問題が発生しやすい

オンプレミス型ツール
オンプレミスは自社で資産管理用のシステム稼働させるためのサーバーやソフトウェアを購入し、資産管理システムの構築、管理、保守する方式です。資産管理システムは Access で独自に開発したものだったり、専用システムの構築を外部に依頼したりなどシステムの形は様々です。
特徴
- 自社サーバーや PC にインストールして利用
- カスタマイズ性が高く、セキュリティ管理を自社内で完結できる
向いている場面
- 大企業や官公庁など、セキュリティ要件が厳しい組織
- 自社独自の要件に合わせて高度なカスタマイズを行いたい場合
注意点
- 導入コスト(ハードウェア・ソフトウェア)が高い
- 運用・保守を担う専門人材が必要
- 拡張やアップデートに時間がかかる
代表例
- Microsoft Configuration Manager
- AssetView(オンプレミス版)
- SKYSEA Client View(オンプレミス版)
SaaS型クラウドツール
クラウド型で提供されているツールは、サーバーやソフトウェアの調達が必要なくすぐに使い始めることが大きな特徴です。利用料金は多くの場合月額課金制となっています。
特徴
- インターネット経由で利用可能、月額課金制
- サーバー管理が不要で、導入がスピーディー
向いている場面
- 中堅企業や成長企業で、短期間で導入したい場合
- 社内にIT専任者が少なく、運用負荷を軽減したい場合
注意点
- 毎月の利用料が発生するため、長期的にはコストが増える可能性
- 機能やUIがベンダー仕様に依存する
- 海外製品の場合、日本語サポートが限定的なこともある
代表例
- Lanscope エンドポイントマネージャー
- AssetView Cloud
- SKYSEA Client View(クラウド版)
本家GLPI(OSS・クラウドサービス)
オープンソースソフトウェア(OSS)として開発されている GLPI を利用する方法です。OSS であるため、サーバーの調達や GLPI の導入を独自に行う必要があります。また、公式サイトでは GLPI を SaaS でも提供しています。
特徴
- OSS(オープンソースソフトウェア)として無償提供
- 世界的に導入実績があり、幅広い機能を備える
向いている場面
- 自前で構築・運用・保守ができるエンジニアリソースがある場合
- OSSの自由度を活かして自社に最適化したい場合
注意点
- 自前構築の場合:サーバー構築・セキュリティ対策・アップデートをすべて自社で対応する必要がある
- 公式 SaaS の場合:ユーロ建て決済、英語サポート、海外サーバーでホスティングされる
Linkup が提供するGLPI
Linkup では OSS の GLPI を独自にカスタマイズし SaaS として提供しています。中小規模の企業に特化し、スモールスタートできるサービスとして提供しています。

特徴
- GLPIをベースに国内AWS環境でホスティング
- 日本語によるサポート、国内企業向けに最適化
- 少数台からスモールスタート可能
向いている場面
- Excel管理からの脱却を検討している中小企業
- コストを抑えつつ、自社で運用負担を抱えたくない場合
- 国内ホスティングや日本語サポートを重視する場合
注意点
- 自前構築に比べ自由度が制限される(提供範囲内の利用が前提)
- 利用料が発生する(ただし大規模SaaSよりは抑えられる)
まとめ
- IT資産管理ツールは大きく分けて「Excel」「オンプレ」「SaaS」「GLPI(本家/Linkup版)」に分類できる
- 自社の規模・予算・運用体制によって最適な選択肢は異なる
- 本家GLPIはOSSとして高い自由度がある一方、運用負担や海外依存の課題がある
- Linkup版GLPIは日本語サポートと国内AWSホスティングにより、中小企業が導入しやすい環境を提供している
一言に IT 資産管理ツールと言っても様々な形態で提供されており、自社の要件や規模感に応じたツールの選定が必要になります。
「Excel管理から一歩進みたい」「既存のSaaSは高すぎる」という企業は、ぜひGLPIベースのソリューションを検討してみてください。

