ExcelでのIT資産管理のメリットとその限界

目次

はじめに

多くの中小企業では、PCやプリンター、ソフトウェアといったIT資産の管理を「Excel」で行っています。手軽に始められ、特別なコストもかからないため導入のハードルが低いのが魅力です。

しかし、社員数や管理対象の資産が増えていくと「Excelでの管理が大変になってきた」と感じる場面が増えていきます。


本記事では、ExcelでIT資産を管理するメリットと限界を整理し、今後の選択肢について解説します。

Excelで資産管理するメリット

低コストで始められる

Excel を使って資産管理することの大きなメリットとしてまずあげられるのは、何と言っても低コストで始められることでしょう。

多くの企業で使用されている PC には Excel やそれに類似する表計算ソフトが入っていることが多く、資産管理をするために、新たなソフトを購入する必要がありません。

また、日頃の業務でも使用頻度の高いソフトであるため、 改めて使い方を学習するといった追加コストがかからないことも大きなメリットです。小規模事業者にとっては「最も安価に始められる資産管理手段」といえます。

誰でもすぐ使える

Excelは基本的な操作を知っている人が多く、専門的な教育を必要としません。

書店に行けば初心者向けから上級者向けまで Excel について解説した本がたくさんあり、ネットを検索してもたくさんの情報がヒットします。ITに詳しくない担当者でも簡単に管理を始められるのは大きなメリットです。

柔軟なカスタマイズ性

列を追加したり、条件付き書式を設定したりと、自社の管理ルールや業務のあり方に合わせて自由に管理台帳をカスタマイズできます。

管理したい項目を増やすためにシステム改修を外部に依頼したりする必要もなく、自分たちの手でカスタマイズできるので、低コストで運用でき「自分たちのやり方で管理したい」、「低コストに運用したい」というニーズには非常にマッチします。

こちらの記事で紹介しているようなコツをもとに管理台帳を作ると、見やすく、間違いの起こりにくい Excel 台帳を作成することができます。

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Excel管理台帳の作り方|見やすく・ミスを防ぐ2つの基本設計のコツ 今回は Excel で台帳を作るコツと、作った台帳をより効率的に使えるようにするにはどうしたらよいかをご紹介します。

少数台であれば十分機能する

PCが数台、ソフトウェアも限られている規模であれば、Excelでの管理に大きな問題はありません。

一つのシートで管理できる規模であれば、情報を一元的に管理することもできますし、更新頻度も高くないので、小規模のうちはExcelの柔軟性と簡便さが活きます。

Excel管理の限界と課題

入力・更新の手間とミス

Excelは手作業で入力・更新する必要があるため、どうしてもミスが発生します。  入力漏れや誤入力が積み重なると、実際の資産状況と台帳が一致しなくなってしまいます。

関数や入力規則を使って、ある程度入力を自動化することができますが、次第に台帳そのものの複雑性が高まってしまい、後述する属人化に繋がります。

情報の鮮度が保てない

定期的な棚卸しを行っていても、作業が煩雑で更新が追いつかないケースが多いです。  結果として「台帳と実態がズレている」状態が常態化してしまいます。

ソフトウェアのインストールや利用状況などは日々変わってくるため、リアルタイムには変更を反映することは事実上難しく、棚卸しと棚卸しの間の変更を台帳に反映させる作業も大きな負荷になります。

複雑化する台帳

手入力することのデメリットでも解説しましたが、手入力を減らす方法として関数やマクロの利用が挙げられますが、それらのメンテナンスに大きな負荷がかかります。

関数やマクロの処理を変更したことで、台帳が機能しなくなったり、処理結果がエラーになってしまったりします。

また、資産が増えるとシートが肥大化し、フィルタや関数が複雑になって管理が困難になります。  「どこに何が書いてあるのか分からない」、「分析に時間がかかる」といった声も多く聞かれます。

属人化によるリスク

「担当者しか台帳の内容を把握していない」という状況も珍しくありません。  引き継ぎがうまくいかず、管理が止まってしまうケースも発生します。

また、台帳で使用されている関数が複雑化し、台帳の担当者や関数、マクロを制作した人しか詳しく知らない、といったことが起こります。

詳しい人が社内に入れば対応することができますが、すでに退職していたり、誰が作成したかわからない場合、台帳がブラックボックスになってしまい、改善も何かあったときの修正も難しくなってしまいます。

IT資産管理ツールという選択肢

Excel で手軽に資産管理を始めたものの、徐々に運用が複雑化し、このまま運用し続けることにリスクを感じる時が来ると思います。また、不正確な台帳が原因でトラブルが発生したりすると、想定以上の時間的、金銭的コストがかかってしまうこともあります。

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Excel 以外のツールを使って資産管理をするためには、IT 資産管理専用のツールを使うことをお勧めします。IT 資産管理ツールは多くのツールが存在しますが、どれも次のような機能、特徴を持っています。

自動化による効率化

IT資産管理ツールを導入すると、エージェントによって PC の情報を自動更新できます

PC にエージェントと呼ばれるソフトウェアをインストールすると、PC のメーカーやメモリ搭載量、CPU の種類といった機器の構成や、OS の種類、バージョン、インストールされているソフトウェアとそのバージョンなど、PC に関するあらゆる情報を自動的に収集し、IT資産管理ツールに情報を登録します。

エージェントによる情報収集で、手作業での棚卸しが不要になるだけでなく、エージェントが定期的に情報収集と登録を行うので、資産状況をほぼリアルタイムに把握できるようになります。

セキュリティとコンプライアンスの強化

ツールを活用することで、ソフトウェアやOSのバージョンを一元管理できます。

例えば、エージェントによって OS やインストールされているソフトウェアのバージョンの情報を収集できるので、修正プログラムが適用されているか、不具合や脆弱性のあるバージョンのソフトを使っていないか、インストールを認めていないソフトウェアがインストールされていないかなどを確認することができます。

脆弱性対応やライセンス管理がスムーズになり、監査対応にも役立ちます。

まとめ

Excel での資産管理を行うメリットとデメリット、そして資産管理ツールの特徴をご紹介しました。

  • Excelは「低コスト・手軽・柔軟」という点で小規模管理に有効
  • 資産数やユーザーが増えると「情報更新の遅れ」「属人化」「セキュリティリスク」といった限界が顕著になる
  • 自動化できるIT資産管理ツールを導入することで、効率性・正確性・安全性を兼ね備えた管理体制を構築できる

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