「社内にあるPCやソフトの数、正確に把握できていますか?」
この問いに即答できる企業は意外と少なく、中小企業ではExcelや担当者の記憶に頼った管理が続けられているケースも多くあります。
一見すると問題がなさそうに見えても、資産を正しく把握できていない状態は 無駄なコストやセキュリティリスク を招きます。
本記事では、IT資産管理の基礎知識から、Excel管理の限界、専用ツール導入のメリット までを整理します。
IT資産管理とは
IT資産管理とは、企業が保有する PC、サーバー、ソフトウェア、周辺機器、ネットワーク機器、クラウドサービス、ライセンス などの情報を一元的に管理し、正しく把握する仕組みです。
管理の目的は大きく分けて3つあります。
- コスト削減:遊休PCや使われていないソフトウェア(ライセンス)の排除
- セキュリティ強化:ソフトウェアや OS の更新状況や脆弱性を把握
- 業務効率化:トラブル時の迅速な端末特定
近年はクラウドやSaaSの利用が増え、管理対象は年々広がっています。また、経済産業省の推し進めるセキュリティアクションの取得のための取り組みとしても「IT資産管理」は、もはや企業の情報システム運営に欠かせない要素になっています。
Excel管理のメリットと限界
すぐに取り組める IT 資産管理として Excelやスプレッドシートを用いた管理があります。導入コストがゼロで始められ、PC をはじめとした管理対象の機器が少ない小規模な組織ではこれで十分対応できる場面もあります。
しかし、社員数や端末数、管理対象が増えるにつれて次のような問題が目立つようになります。
- 管理表の更新が追いつかず、最新情報が反映されない
- 管理表が複雑化し、担当者以外が理解できない状態(属人化)
- 情報の抜け漏れや誤記により、実際の資産と乖離
はじめのうちは Excel 台帳を改善して、効率的な入力や不備のでにくい設計にすることで解決できる場合もあります。


しかし、管理する機器が増えたり、社員が増え会社規模が大きくなってくると、正確な資産把握は難しくなり、Excel で管理する運用はむしろリスクの温床となります。

IT資産管理が不十分だと発生するリスク
IT資産の管理がそもそもできていなかったり、不正確な管理台帳を使っていることにより正確な資産の数や資産の情報を把握できないと、次のようなリスクが現実に発生します。
- 遊休PCやソフトの放置による無駄コスト
- 例:退職者が使っていたPC5台を放置 → 年間40万円以上のリース費用が無駄に
- 未使用のOfficeライセンス5本 → 年間7.5万円の無駄
- セキュリティリスクの増大
- 未管理端末はOSやソフトが更新されず、脆弱性の温床に
- 情報漏洩やマルウェア感染のリスクが高まる
- トラブル対応の遅延
- 社員から「PCが不調」と連絡があっても、どの端末か特定できず復旧に時間がかかる
- 監査・コンプライアンス対応の難航
- ライセンス監査時に正しい資産台帳が出せない
- 対応工数や追加ライセンス購入で数十万円のコストが発生する
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が毎年公開している情報セキュリティ10大脅威によると、ランサムウェア感染やシステムの脆弱性をついた攻撃が毎年のように大きな脅威として取り上げられています。多くの場合、OS やソフトウェアの更新が適切に行われていないなどの原因で発生しています。

こちらの記事では、より詳しい事例や数字を紹介しています。

こうしたセキュリティリスクへの対応として、近年サイバーハイジーンというキーワードが注目を集めています。サイバーハイジーンはセキュリティ対策やサイバー攻撃を未然に防ぐための「IT 管理における衛生管理」活動です。
サイバーハイジーンを実践していくためにはセキュリティ対策そのものだけでなく、正確な IT 資産管理の基盤を構築することが重要になってきます。

IT資産管理ツールを導入するメリット
こうしたリスクを防ぐために、多くの企業では IT資産管理ツール を導入しています。具体的なメリットは以下の通りです。
- コスト削減:遊休資産や不要ライセンスを特定して削減できる
- セキュリティ強化:OS やソフトウェアの更新状況を可視化し、脆弱性を把握できる
- 業務効率化:端末・ユーザー情報を紐付け、トラブル対応を迅速化できる
例えば、 Excel 台帳では PC とインストールされたソフトウェアの一覧、そのバージョンを管理するには限界があります。情報収集だけでなく常に最新の状態にしておく必要があるため、手作業で行うことは非現実的です。
IT資産管理ツールでは、PC にインストールすることで PC の詳細な情報、OS やインストールされているソフトウェアなどの情報を自動で収集して IT資産管理ツールに登録するエージェントが用意されている場合が多いです。
Excel による運用の限界がある部分を補い、IT担当者の負担を大きく軽減できます。
IT資産管理ツールの種類と特徴
ここまで IT 資産管理の必要性やリスクについて紹介してきました。Excel 台帳も含め、IT資産管理の代表的な管理方法について紹介します。
- Excel
最もシンプルな管理方法。追加のシステム導入が不要で、既に社内にあるExcelやGoogleスプレッドシートで台帳を作成して管理する方式。
- コストゼロで手軽に始められる
- 数台程度のPCやソフトなら管理可能
- 自社ルールに合わせた台帳で柔軟に管理できる
- 属人化しやすい
- 管理精度が低い
- 情報更新の際に多くの手間がかかる
- ファイルの権限管理、履歴管理が甘く監査対応が難航する
- 有償ツール(オンプレミス型)
自社サーバーに IT 資産管理システムを構築し、自社内で運用する方式。
- 高いカスタマイズ性
- データを自社内に保持できるため、セキュリティや規制対応に有利
- 初期導入コスト(サーバー、ライセンス費用)が高い
- 運用・保守に専門人材や工数が必要
- 規模が変わるとシステム増強も必要
- 有償ツール(SaaS型)
クラウド上でサービス提供され、インターネット経由で利用する方式。
- 初期費用が抑えられる(月額課金型)
- サーバー管理が不要なため運用負荷が小さい
- 導入スピードが早く少数台から試すことができる
- カスタマイズの自由度がオンプレミス型よりも劣る場合がある
- データを社外に置くため、セキュリティポリシー次第で制約がある
- 長期的に月額費用が積み上がる
こちらの記事では、各方式の違いをさらに詳しく解説しています。

IT資産管理を始める手順
導入にあたっては、いきなり全社展開するより 小規模テスト導入 から始めるのが安全です。
- 現状の課題を洗い出す
- 管理対象・粒度を定義する(例:PC・ソフトのみ/ネットワーク機器も含む)
- 複数ツールを比較検討する
- 少数台で検証導入 → 運用イメージを固める
- 問題がなければ全社展開
まとめと次のステップ
- IT資産管理は、PCやソフトの「数を正確に把握する」ことから始まる
- Excelでは限界があり、無駄なコストやセキュリティリスクを招く
- 専用ツールを使えば、見える化・自動化・効率化 が可能
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